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あなたの頭痛は大丈夫?(元脳外科医の勉強会に参加して) [医療]

 先週の水曜日、地元の薬剤師会の勉強会に参加してきました。

 この日の講師は、近くの総合病院の元院長で、脳外科医の先生のお話でした。

 頭痛というのは、だれでも体験するような、ごく一般的な病気ですが、痛み方や、他の症状によっては、一刻も早く医療機関に受診しなければならないものもあります。特に長野県では、脳卒中による死亡率が、ガンに次ぐ高さにあるからです。
 体の中がどうなっているのか診たい、という夢に沿って、画像診断方が改良されてきました。X線撮影やバリウムなどがありますが、脳外科の分野では、血管造影剤、断層撮影、MRI、CT、ヘリカル(らせんCT)など、画像もよりリアルに近くなり、病気の発見もだんだん楽になってきました。しかし、病気は見えていても、治療法が見当たらない現状も出てきました。

 頭痛には、慢性タイプの一次頭痛と、他の病気が元になって現れる二次頭痛とがあります。一次頭痛には、片頭痛、突発性頭痛があり、二次頭痛には、くも膜下出血や脳腫瘍など、命に関わるものもあり、注意を要します。

 さて、次にこわい頭痛を紹介します。

 ・くも膜下出血 … 頭にいきなり衝撃が走るような激しい頭痛が特徴。頭蓋骨の下の硬膜、さらにその下のくも膜という脳を保護している膜の下で出血が起こるため、脳全体に出血が広がります。CTやMRIなどの断層写真でも、脳全体の出血が認められます。死亡率は50%と高く、一刻も早い受診が重要です。
 他の、脳血管障害には、脳内出血、脳梗塞(脳血栓・脳塞栓)があります。

 ・脳腫瘍 … 脳にできた腫瘍が大きくなっていくことで、頭痛や嘔吐が現れてきます。ガンの転移によって発病する転移性脳腫瘍もあり、これは予後のよくない病気です。

 ・慢性硬膜下出血 … 雪道など滑りやすいところで転倒して、頭を強く打った後1ヶ月ほどして現れる頭痛です。先ほどのくも膜下出血とは異なり、硬膜とくも膜の間での出血です。

 ・脳膿瘍 … 脳内に膿がたまる病気で、これも一刻も早い受診が必要です。また、蓄膿症でも脳に膿がたまることがあるので、要注意です。


 次に、特に命には関わらない頭痛です。

 ・片頭痛 … 光や音などの刺激によって、視野にギラギラした光が見え始め、それが視界全体に広がったのち起こる激しい頭痛です。前駆症状があるのが特徴です。頭痛全体の8%を占め、拡張した血管が神経に触れて起こる頭痛です。

 ・緊張性頭痛 … 前駆症状を伴わない頭痛で、頭痛全体の23~24%を占めるごく一般的な頭痛です。女流作家として五千円札にも登場している樋口一葉さんも、このタイプの頭痛にかかっていたとか。

 

 頭痛にも、色々なタイプがあるけど、時には命にもかかわるこわいものもあるので、油断は禁物です。
 ちなみに、わたしは、片頭痛の閃光症状、何度か体験したことがあります。頭痛になり始めたらクスリを飲むといいのですが、なかなかタイミングがむずかしく、3時間ぐらい寝込んだこともありました。
 この日の講師の先生の話、卒中の語源など、色々な話を交えながら、ちょっと長い時間の講演でした。


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